加害者の治療費負担の原則、過失割合との関係、そして自賠責保険や任意保険(人身傷害保険・搭乗者傷害保険)、健康保険、労災保険など、いざという時に頼れる保険の種類と適用条件が明確に理解できます。
交通事故の加害者となってしまった場合、ご自身の治療費は誰が負担するのか、大きな不安がよぎるでしょう。
この記事を読めば、使える保険や制度を正しく知る事ができ、たとえ加害者側であっても治療に専念できる道筋が見えてきます。
基本的な考え方
事故の状況や加入している保険によって、治療費の負担者は変わってきます。ここでは、加害者の治療費負担に関する基本的な考え方について解説します。
まず、基本的な考え方として、以下の2つのケースを理解しておくことが重要です。
ケース | 治療費の主な負担者 | 概要 |
---|---|---|
原則 | 加害者自身 | 事故の原因を作った側が、自身の損害(治療費を含む)についても責任を負うという考え方です。 |
例外 | 相手方の保険(一部または全部) | 相手方にも過失がある場合(過失相殺)や、特定の保険が適用される場合に、相手方の保険から支払われることがあります。 |
原則として加害者自身の負担となるケース
交通事故における加害者の治療費は、原則として加害者自身の負担となります。これは、民法における不法行為の考え方に基づき、事故の原因を作った側が、その結果生じた損害(自身の治療費も含む)について責任を負うという考え方が基本にあるためです。
つまり、ご自身が原因で事故を起こして怪我をした場合(単独事故など)、その治療にかかる費用は基本的にご自身で支払う必要があるということです。ただし、後述するように、ご自身が加入している保険を利用することで、この負担を軽減できる場合があります。
例外的に相手方の保険から支払われるケース
加害者の治療費であっても、例外的に相手方(被害者)が加入している保険から支払われるケースがあります。主なケースは、相手方にも事故の責任(過失)がある場合です。
例えば双方に過失がある事故では、その過失割合に応じて、相手方の自賠責保険や任意保険(対人賠償保険)から、加害者の治療費の一部が支払われます。これを「過失相殺」といいます。
ただし、加害者の過失が100%である場合(いわゆる「もらい事故」の逆の立場)には、相手方の保険から治療費が支払われることはありません。このような場合は、ご自身が加入している保険を利用するか、全額自己負担で治療費を支払うことになります。
どのような場合に相手方の保険が使えるのか、また、ご自身の過失割合が治療費の支払いにどう影響するのかについては、次の章で詳しく解説します。
加害者の治療費と過失割合の関係
交通事故の当事者双方にどれくらいの責任があるかを示す「過失割合」は、加害者の治療費負担やその後の損害賠償を考える上で非常に重要な要素です。ここでは、過失割合が治療費にどのように影響するのかを詳しく見ていきましょう。
過失割合とは何か
過失割合とは、発生した交通事故に対して、当事者それぞれにどの程度の不注意(過失)があったのかを割合で示したものです。
例えば、自分の過失が70%、相手方が30%の場合には、「70:30」というように自分の過失割合を先にして百分率で表されます。
この割合は、事故の状況(信号無視、速度超過、前方不注意など)や過去の裁判例などを基に、基本的には当事者が加入している保険会社同士の話し合いによって決定されます。話し合いで合意に至らない場合は、交通事故紛争処理センターでのあっせんや調停、あるいは裁判で最終的に決定されることもあります。
過失割合は、治療費だけでなく、車両の修理費や休業損害、慰謝料など、事故に関する全ての損害賠償額を算定する際に影響します。
自分の過失が大きい場合の治療費負担
ご自身の過失割合が相手よりも大きい場合、例えばご自身の過失が7割、8割、あるいは10割(相手に全く過失がない、いわゆる自損事故や単独事故に近いケース)の場合、相手方自賠責保険の利用は一定割合が減額され、対人賠償責任保険から治療費の支払いを受けることは難しくなります。
表:自賠責保険利用時の重過失による減額
自分(加害者)の過失割合 | 減額割合 (後遺障害又は死亡) | 減額割合 (傷害) |
---|---|---|
7割未満 | 減額なし | 減額なし |
7割以上8割未満 | 2割減額 | 2割減額 |
8割以上9割未満 | 3割減額 | 2割減額 |
9割以上10割未満 | 5割減額 | 2割減額 |
特にご自身の過失割合が100%の場合は、相手に損害賠償を請求する権利がないため、ご自身の治療費は全額自己負担となるか、ご自身が加入している自動車保険(人身傷害保険や搭乗者傷害保険など)や健康保険を利用して支払うことになります。
たとえご自身の過失が大きいと思われる事故であっても、利用できる保険がないか、まずは確認することが重要です。
過失相殺と治療費
過失相殺(かしつそうさい)とは、交通事故の被害者にも過失があった場合に、その過失の割合に応じて、加害者に対して請求できる損害賠償額が減額されることをいいます。これは、損害の公平な分担という観点から認められている考え方です。
例えば、加害者であるあなた自身の治療費が総額で100万円かかったとします。そして、事故におけるあなた自身の過失割合が70%、相手の過失割合が30%だったとしましょう。
この場合、あなたが相手に対して請求できる損害賠償額(治療費を含む)は、相手の過失割合である30%分、つまり30万円が上限となります。残りの70%(70万円)については、あなた自身の過失分として、自己負担するか、ご自身が加入している保険(人身傷害保険など)でカバーすることになります。
実際には、治療費の支払い自体は、まず相手方の自賠責保険(相手方に過失がある場合)やご自身の健康保険、人身傷害保険などを利用して行い、最終的な示談交渉の際に、全体の損害額に対して過失割合に応じた調整(過失相殺)が行われるのが一般的です。つまり、ご自身の過失分については、相手の対人賠償責任保険からは補償されないということを意味します。
以下は、ご自身の過失割合によって、相手方から賠償してもらえる損害額(治療費を含む損害全体)がどのように変わるかの一般的な目安を示したものです。
自分の過失割合 | 相手の過失割合 | 相手から賠償される損害の割合(目安) |
---|---|---|
0% | 100% | 100% |
30% | 70% | 70% |
50% | 50% | 50% |
70% | 30% | 30% |
100% | 0% | 0% |
この表はあくまで一般的な目安であり、実際の賠償額は個別の事故状況、損害の内容、適用される保険契約の内容によって異なります。
ご自身の過失割合が大きいほど、相手から受けられる賠償額は減少し、結果として治療費の自己負担分が増える可能性があることを理解しておくことが大切です。
加害者が自分の治療費に使える保険の種類と適用条件
交通事故の加害者になってしまった場合でも、ご自身の治療費の負担を軽減するために利用できる保険がいくつかあります。ここでは、それぞれの保険の種類と、どのような条件で利用できるのかを詳しく解説します。
自賠責保険
自賠責保険は、交通事故の相手方被害者の人的損害を救済するための強制保険です。そのため、自分の自賠責保険で自身の治療費を支払うことはできません。
相手方にも過失がある場合(例えば双方に過失がある事故)は、相手方の自賠責保険からご自身の損害の一部が支払われます。しかし、これはあくまで相手方の過失分に対する補償であり、加害者自身の治療費を積極的に補償するものではありません。
任意保険の人身傷害保険
人身傷害保険は、ご自身が契約している自動車保険(任意保険)に付帯できる保険の一つです。この保険は、事故の過失割合にかかわらず、運転者自身や同乗者のケガの治療費、休業損害、精神的損害などを補償します。つまり、加害者となってしまった場合でも、ご自身の治療費の支払いに利用できます。
人身傷害保険の補償範囲と加害者の治療費
人身傷害保険の補償範囲は契約内容によって異なりますが、一般的には以下のものが含まれます。
- 治療関係費(診察費、入院費、手術費、薬剤費など)
- 休業損害(ケガにより仕事ができなくなった場合の収入減)
- 精神的損害(慰謝料)
- 後遺障害による損害
- 死亡による損害
加害者の治療費については、保険契約で定められた保険金額を上限として、実際にかかった費用が支払われます。ただし、治療の必要性や相当性が認められる範囲に限られます。
人身傷害保険を使うメリットとデメリット
人身傷害保険を利用する際には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
過失割合に関わらず保険金が支払われるため、自身の過失が大きい場合でも治療費の補償を受けやすい。 | 保険を使うと、翌年度以降の保険料が上がる(等級がダウンする)可能性がある。 |
相手方との示談交渉の結果を待たずに、保険金を受け取ることができる。 | 保険金額に上限があり、すべての損害をカバーできるとは限らない。 |
自分の保険会社とのやり取りで手続きが進められる。 | 補償の対象となる事故や範囲が契約によって異なるため、確認が必要。 |
任意保険の搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険も、ご自身が契約している自動車保険(任意保険)に付帯できる保険の一つです。この保険は、契約車両に搭乗中の人が事故で死傷した場合に、過失割合に関わらず、あらかじめ定められた金額(定額)または実損額が支払われます。運転者である加害者自身も補償の対象となります。
搭乗者傷害保険の補償範囲と加害者の治療費
搭乗者傷害保険の補償内容は、主に以下の通りです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 医療保険金(入院・通院日数に応じて支払われる場合や、ケガの部位・症状に応じて一時金として支払われる場合などがあります)
加害者の治療費に関しては、医療保険金として、入院日数や通院日数、あるいはケガの部位や症状に応じて一定額が支払われます。人身傷害保険が実損払いを基本とするのに対し、搭乗者傷害保険は定額払いが多い点が特徴です。人身傷害保険と合わせて加入している場合、両方から保険金を受け取れることもあります。
健康保険
交通事故によるケガの治療にも、健康保険を利用することができます。「交通事故では健康保険は使えない」と誤解されている方もいますが、これは間違いです。加害者であっても、自身の治療のために健康保険を使うことは可能です。
交通事故で健康保険を使う際の注意点「第三者行為による傷病届」
交通事故で健康保険を利用する際には、必ずご自身が加入している健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。
これは、本来加害者が負担すべき治療費を健康保険が一時的に立て替える形になるため、後日、健康保険組合が加害者(またはその保険会社)にその費用を請求するために必要な手続きです。
手続きの詳細は、ご加入の健康保険組合等にお問い合わせください。参考情報として、全国健康保険協会のウェブサイトもご確認ください。事故にあったとき(第三者行為による傷病届等について) | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
健康保険を使うメリットとデメリット
健康保険を利用する際のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
医療機関の窓口での自己負担額を原則3割(年齢や所得により異なる)に抑えられる。 | 「第三者行為による傷病届」の提出など、所定の手続きが必要。 |
自由診療(健康保険を使わない診療)に比べて、治療費総額が低く抑えられる傾向がある。 | 保険診療の範囲内での治療となるため、受けられる治療法や薬剤に一部制限がある場合がある。 |
高額療養費制度を利用でき、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される。 |
労災保険
交通事故が業務中や通勤中に発生した場合、加害者であっても労災保険(労働者災害補償保険)を利用できる可能性があります。労災保険が適用されると、治療費の自己負担なしで治療を受けられるほか、休業補償なども受けることができます。
労災保険の適用条件と加害者の治療費
労災保険が適用されるためには、その事故が「業務遂行性(労働契約に基づき事業主の支配下にある状態での発生)」と「業務起因性(業務に内在する危険が現実化したものと認められること)」の双方を満たす必要があります。通勤中の事故(通勤災害)についても、合理的な経路および方法による通勤であれば対象となります。
労災保険から給付される主なものには以下のようなものがあります。
- 療養(補償)給付
治療費、入院費、薬剤費など(原則自己負担なし) - 休業(補償)給付
ケガにより働けない期間の所得補償 - 障害(補償)給付
後遺障害が残った場合の年金または一時金
業務中や通勤中の事故で労災保険が使える場合は、原則として健康保険よりも労災保険が優先されます。また、自賠責保険の同時利用も可能です。
その他の保険 生命保険の医療特約など
ご自身が加入している生命保険や医療保険に、入院給付金や手術給付金、通院給付金などの医療特約が付帯している場合、交通事故によるケガの治療でもこれらの給付金を受け取れる可能性があります。契約内容によって条件や給付額が異なりますので、保険証券を確認したり、保険会社に問い合わせてみましょう。
加害者の治療費に関するよくある質問
交通事故の加害者になってしまった場合、ご自身の治療費について様々な疑問が生じることでしょう。ここでは、加害者の治療費に関するよくある質問とその回答をまとめました。
加害者が無保険だった場合の治療費はどうなる?
自動車保険(任意保険)に加入していない、いわゆる無保険の状態で交通事故を起こし、加害者自身が負傷した場合、治療費の支払いは非常に厳しい状況に置かれます。原則として、ご自身の治療費は全額自己負担となります。
利用できる可能性のある制度としては、以下のものがあります。
- 自賠責保険
交通事故の相手方にも過失がある場合、相手方の自賠責保険を利用できます。自身の過失に応じて前表の通り一定の減額があります。 - 健康保険
業務中や通勤中以外の事故であれば、健康保険を利用して治療を受けることができます(交通事故の相手方にも過失がある場合)。ただし、利用する際には「第三者行為による傷病届」の提出が必要になります。健康保険を利用することで、窓口での自己負担額を3割(年齢や所得によって異なります)に抑えることができます。 - 労災保険
業務中や通勤中の事故であれば、労災保険が適用され、治療費の自己負担はありません。
任意保険に加入していないため、人身傷害保険や搭乗者傷害保険は利用できません。
万が一、治療費の支払いが困難な場合は、病院のソーシャルワーカーや、場合によっては弁護士に相談することも検討しましょう。
同乗していた家族の治療費は誰が払う?
加害者が運転する車に同乗していた家族が負傷した場合、その家族の治療費は誰が負担するのでしょうか。
この場合、同乗していた家族(被害者)は、運転者(加害者A)に対して損害賠償を請求できます。さらに、車対車(A対B)の事故で双方に過失があれば、相手車両の運転手(加害者B)にも請求できるので、自賠責保険を二重で利用できます。
利用できる可能性のある保険は以下の通りです。
保険の種類 | 支払い対象となる可能性 | 備考 |
---|---|---|
運転者(加害者A)の自賠責保険 | 高い | 他人性が認められれば、被害者として補償の対象となります。 |
運転者(加害者B)の自賠責保険 | 高い | 加害者Bに過失がある場合に限る |
運転者(加害者A、B)の任意保険(対人賠償保険) | 高い | 自賠責保険の限度額を超える部分について補償されます。加害者Bは過失がある場合に限る |
運転者(加害者A)の任意保険(人身傷害保険) | 契約内容による | 記名被保険者やその家族も補償対象となる場合が多いです。過失割合に関わらず治療費が支払われます。 |
運転者(加害者A)の任意保険(搭乗者傷害保険) | 契約内容による | 搭乗中の人が死傷した場合に、あらかじめ定められた金額が支払われます。 |
同乗者自身の健康保険 | 可能 | 「第三者行為による傷病届」の提出が必要。 |
基本的には、運転者(加害者)が加入している自賠責保険や任意保険(対人賠償保険、人身傷害保険、搭乗者傷害保険など)から支払われることになります。ただし、保険契約の内容や事故の状況によって対応が異なるため、まずは加入している保険会社に確認することが重要です。
治療費の請求手続きの流れ
加害者がご自身の治療費を保険を使って支払う場合、または相手方の保険から支払いを受ける場合の手続きの流れは、利用する保険や状況によって異なりますが、一般的な流れは以下のようになります。
まずは負傷者の救護と警察への届け出を行います。
医師の診察を受け、必要な治療を開始します。この際、交通事故であることを伝え、健康保険や労災保険を利用する場合はその旨を申し出ます。
ご自身が加入している任意保険会社、または相手方がいる場合は相手方の保険会社に事故の連絡をします。連絡する際には、事故の日時、場所、状況、ケガの程度などを正確に伝えます。
保険会社から指示された必要書類(事故証明書、診断書、診療報酬明細書など)を準備し、提出します。
健康保険を利用する場合:「第三者行為による傷病届」を健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に提出します。
労災保険を利用する場合:勤務先に報告し、必要な手続き(療養補償給付たる療養の給付請求書など)を行います。
保険会社は、提出された書類や事故状況の調査に基づき、保険金の支払い対象となるか、支払額はいくらかなどを審査します。
保険会社から病院へ直接支払い:保険会社が病院へ直接治療費を支払うケース(一括対応)。この場合、被害者や加害者が窓口で高額な治療費を立て替える必要がありません。
立て替え払い後の請求:一旦ご自身で治療費を支払い、後日その領収書などを保険会社に提出して支払いを受けるケース。
手続きの詳細は、利用する保険の種類や保険会社の指示によって異なりますので、必ず事前に確認するようにしましょう。不明な点があれば、遠慮なく保険会社の担当者や、必要に応じて専門家(弁護士など)に相談することが大切です。
加害者が治療費で困ったときの相談先
交通事故の加害者となり、ご自身の治療費の支払いで困った場合、一人で悩まずに専門家や関係機関に相談することが大切です。適切なアドバイスやサポートを受けることで、経済的・精神的な負担を軽減できる可能性があります。
弁護士に相談するメリット
交通事故の加害者になってしまった場合でも、弁護士に相談することで多くのメリットが期待できます。特に、過失割合に納得がいかない場合や、保険会社との交渉が複雑で難しいと感じる場合に頼りになる存在です。
相談内容の例 | 弁護士に相談する主なメリット |
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過失割合の交渉 | 専門的な知識と証拠に基づき、加害者にとって不利にならないよう、相手方や保険会社と交渉してくれます。適正な過失割合の認定は、治療費の負担割合にも影響します。 |
保険会社との対応 | 保険会社との複雑な手続きや交渉を代行してくれるため、治療に専念でき、精神的な負担も軽減されます。 |
後遺障害に関するサポート | 万が一、治療を続けても後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害等級認定の申請手続きをサポートしてくれます。また、認定された等級に不服がある場合の異議申し立ても手伝ってくれます。 |
法的なアドバイスと安心感 | 今後の手続きの流れや、法的な注意点について的確なアドバイスを受けられます。専門家が味方についてくれることで、大きな安心感が得られます。 |
多くの法律事務所では、交通事故に関する相談を初回無料で行っている場合があります。また、ご自身やご家族が加入している自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯していれば、弁護士に依頼する際の費用を保険でまかなえることもありますので、保険証券を確認してみましょう。相談する際は、交通事故案件の取り扱い経験が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
お近くの弁護士を探す際には、日本弁護士連合会が提供する法律相談窓口検索のウェブサイトなどが参考になります。
保険会社への相談
ご自身が加入している自動車保険(任意保険)の保険会社も、事故発生時の重要な相談先です。事故を起こしてしまったら、まずは速やかにご自身の保険会社に連絡し、事故の状況を正確に報告しましょう。保険会社は、契約内容に基づいて利用できる保険や手続きについて案内してくれます。
保険会社に相談できる主な内容は以下の通りです。
- ご自身の治療費に利用できる保険(人身傷害保険、搭乗者傷害保険など)の確認と、その補償内容の説明
- 保険金請求の手続き方法や必要書類の案内
- 相手方との過失割合の交渉に関するアドバイス(ただし、交渉が難航する場合や法的な判断が必要な場合は、弁護士への相談も検討しましょう)
- 今後の対応についての一般的なアドバイスやサポート
事故の初期対応や保険手続きは複雑に感じることもありますが、保険会社の担当者に相談しながら進めることで、スムーズに解決できることもあります。不明な点や不安なことは遠慮なく質問し、適切なサポートを受けるようにしましょう。
まとめ
交通事故における加害者の治療費は、原則として加害者自身の負担となります。これは事故を起こした責任に基づくものですが、過失割合や加入している保険の種類によって状況は大きく変わります。
事故の相手方にも過失があれば自賠責保険の利用ができ、ご自身が人身傷害保険や搭乗者傷害保険に加入していれば、過失があっても治療費が補償される可能性があります。また、健康保険や業務上の事故であれば労災保険の利用も検討できます。
ご自身の状況を正確に把握し、適切な保険の利用や専門家への相談をすることが重要です。
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