物損事故の被害に遭い、相手方の保険会社から提示された修理費用や過失割合に納得がいかず、「弁護士に相談すべきか」「費用倒れにならないか」とお悩みではありませんか?

人身事故とは異なり、物損事故では原則として慰謝料が請求できないため、車の修理費や時価額(経済的全損)、評価損(格落ち)、代車費用といった損害賠償項目を正しく理解し、適正な過失割合を主張することが、最終的な受取額で損をしないための重要なポイントとなります。

この記事では、物損事故特有の賠償ルールや、弁護士への無料相談を活用して過失割合や賠償額を見直す方法について、示談交渉の注意点を踏まえて解説します。

結論から申し上げますと、ご加入の自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯していれば自己負担なしで弁護士に依頼できるケースが多く、特約がない場合でも、まずは無料相談を利用して増額の見込みと費用対効果を試算することが解決への近道です。

泣き寝入りせず適切な賠償金を獲得するために、信頼できる弁護士の探し方とあわせてぜひ参考にしてください。

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物損事故で損をしないために知っておくべきこと

交通事故で怪我がなく、車やガードレールなどの物が壊れただけの事故を「物損事故」と呼びます。

怪我人がいないため軽く考えられがちですが、賠償金の交渉において被害者が不満を抱きやすいのもこの物損事故です。

「大切にしていた車が壊れた精神的ショック」や「修理費の不足」などで悩まないよう、まずは法律上の賠償ルールと、損をしないための基礎知識を正しく理解しておきましょう。

物損事故では原則として慰謝料が請求できない

交通事故の被害に遭った際、「怖い思いをした」「愛車が壊れて悲しい」といった精神的苦痛に対して慰謝料を請求したいと考えるのは自然なことです。

しかし、物損事故では原則として慰謝料を請求することができません。

法律の実務上、慰謝料は「怪我や死亡などの生命・身体への侵害」に対して支払われるものとされています。

車や建物などの「物」の損害については、修理をしたり、金銭で賠償したりすることで原状回復(元通りにすること)が可能であり、それによって精神的な苦痛も癒やされると考えられているからです。

慰謝料はもらえませんが、発生した損害については項目ごとに細かく請求することが可能です。物損事故で認められる主な賠償項目を以下の表にまとめました。

請求項目内容と認められる条件
修理費用事故による損傷を修理するための適正な費用です。部品代や作業工賃が含まれます。
代車費用修理期間中や買い替え期間中に、レンタカーなどを使用した場合の費用です。仕事や日常生活で車が不可欠な場合に限り、必要最小限の期間と車種で認められます。
評価損(格落ち)修理をしても車の骨格などに欠陥が残ったり、事故歴がつくことで商品価値が下がったりした損害のことです。新車や高級車の場合に認められる可能性があります。
休車損タクシーやトラックなどの営業車が、修理のために稼働できず、その間に得られたはずの利益が失われた場合の損害です。

このように、慰謝料という名目ではなく、実際に発生した具体的な経済的損失を漏れなく請求していくことが重要です。

経済的全損と修理費用の関係

物損事故の交渉で最もトラブルになりやすいのが、「全損」の扱いです。

全損には、車が物理的に修理不可能な「物理的全損」と、修理費用が事故当時の車の時価額(市場価値)を上回ってしまう「経済的全損」の2種類があります。

特に注意が必要なのは経済的全損です。

例えば、修理すればまた乗れる状態であっても、修理見積額が100万円で、事故当時の車の時価額が70万円だった場合、法律上は「全損」として扱われます。

このとき、加害者側に請求できる賠償額の上限は、実際の修理費(100万円)ではなく、車の時価額+買替諸費用(合計70万円強)までとなってしまいます。

被害者からすれば「相手が悪いのに、修理費が全額出ないのはおかしい」と感じる理不尽なルールですが、賠償の原則は「事故前の状態に戻すこと(またはその価値を金銭で支払うこと)」であるため、車の価値以上の修理費は認められにくいのが現状です。

ただし、このケースで損をしないための対策がないわけではありません。

相手方の保険に「対物超過修理費用特約」が付いていれば、時価額を超えた修理費用でも一定額(一般的にプラス50万円まで)支払われる可能性があります。

また、保険会社が提示してきた「車の時価額」が適正かどうかを、「レッドブック」と呼ばれる中古車価格ガイドブックや市場価格を元に再調査することで、賠償額を引き上げられるケースもあります。

弁護士への無料相談で過失割合は変わるのか

物損事故の被害に遭った際、相手方の保険会社から提示された過失割合に納得がいかないことは珍しくありません。

「自分には落ち度がないはずだ」「相手の不注意の方が明らかに大きい」と感じていても、保険会社の担当者は過去の事例やマニュアルに沿って事務的に割合を提示してくることが多いからです。

しかし、弁護士が交渉に介入することで、保険会社の提示した過失割合が有利な内容に変更される可能性は十分にあります。

なぜなら、保険会社が提示する過失割合はあくまで「話し合いのスタートライン」に過ぎず、法的な最終決定ではないからです。

弁護士は、過去の裁判例(判例)や詳細な事故状況を照らし合わせ、あなたにとって最も有利になる法的な根拠を見つけ出し、正当な権利を主張します。

事故状況の再調査で過失割合が修正される例

交通事故の過失割合は、事故のパターンごとの「基本過失割合」に、個別の事情である「修正要素」を加えて決定されます。

保険会社は事務処理を優先し、この「修正要素」を十分に見込まずに、基本割合だけで提示してくるケースが多々あります。

弁護士に相談することで、見落とされていた修正要素が明らかになり、過失割合が見直されることがあります。代表的な修正要素には以下のようなものがあります。

修正要素の例具体的な状況過失割合への影響
著しい過失脇見運転、著しい速度超過(時速15km以上30km未満)、酒気帯び運転など相手の過失が10%程度加算される
重過失居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、著しい速度超過(時速30km以上)など相手の過失が20%程度加算される
合図なしウインカーを出さずに進路変更や右左折を行った場合相手の過失が10%〜20%程度加算される
直近右折直進車の至近距離で無理に右折を開始した場合右折車(相手)の過失が加算される

このように、相手方に道路交通法違反や不注意があった場合、それを正しく指摘することで、あなたの過失割合を減らせる可能性があります。

無料相談を利用して、本来考慮されるべき修正要素が抜けていないか、弁護士にチェックしてもらうことが重要です。

ドライブレコーダー等の証拠の重要性

過失割合を覆すために最も重要なのが「客観的な証拠」です。

当事者同士の言い分が食い違っている場合(水掛け論)、証拠がなければ保険会社は自社の契約者に有利な主張を採用し続けるでしょう。

特にドライブレコーダーの映像は決定的な証拠となります。信号の色、相手のスピード、一時停止の有無などが映像で確認できれば、弁護士はそれを根拠に強力な交渉を行うことができます。

もしドライブレコーダーがない場合でも、諦める必要はありません。弁護士は以下のような資料を収集・分析し、事故の真相を証明する手助けをしてくれます。

  • 実況見分調書:警察が事故直後に作成した詳細な記録
  • 防犯カメラ映像:近隣の店舗や施設に設置されたカメラの映像
  • 信号サイクル表:事故当時の信号の切り替わりタイミングの記録
  • 車両の損傷状況:車の傷の位置や深さから衝突時の状況を解析

個人で警察から実況見分調書を取り寄せたり、近隣店舗に防犯カメラの開示を求めたりするのはハードルが高いですが、弁護士であればスムーズに手続きを行えます。

確かな証拠を積み上げることで、保険会社の主張を崩し、適正な過失割合を認めさせることができるのです。

物損事故の弁護士費用と費用倒れのリスク

物損事故の解決を弁護士に依頼するかどうか迷ったとき、もっとも心配になるのが「弁護士費用のほうが賠償金よりも高くなってしまうこと」ではないでしょうか。これを一般的に「費用倒れ」と呼びます。

ケガのない物損事故の場合、受け取れるお金は基本的に「車の修理費」などに限定され、慰謝料が発生しません。そのため、人身事故に比べて賠償額が低くなる傾向があり、弁護士費用を払うと最終的に手元に残るお金が減ってしまうリスクがあります。

損をしないためには、以下のポイントを必ず確認しましょう。

弁護士費用特約の有無が最大のポイント

費用倒れのリスクを回避するために、最初に確認すべきなのがご自身やご家族が加入している自動車保険の「弁護士費用特約」です。

この特約を利用すれば、一般的に300万円までの弁護士費用を保険会社が代わりに支払ってくれます。物損事故の弁護士費用が300万円を超えることは極めて稀であるため、特約があれば実質的な自己負担ゼロで弁護士に依頼することが可能です。

ご自身の保険証券を確認し、特約がついている場合は、費用倒れを心配する必要はありません。迷わず弁護士に相談して、示談交渉を任せるのが得策です。

特約の有無費用の負担費用倒れのリスク
あり保険会社が負担
(限度額の範囲内)
ほぼなし
なし被害者の自己負担あり(賠償額による)

賠償額が低い場合は無料相談で試算する

もし弁護士費用特約に加入していない場合は、慎重な判断が必要です。一般的な弁護士費用の相場は、「着手金」として10万円〜20万円程度、さらに解決時に「成功報酬」がかかります。

例えば、相手方から支払われる修理費が30万円程度しかない事故で、弁護士に20万円以上を支払っていては、経済的なメリットはほとんどありません。しかし、高級車の全損事故や、営業車の休車損害が争点になっている場合など、賠償額が大きくなるケースでは、弁護士を入れることで増額できる幅も大きくなり、費用を払ってもプラスになる可能性があります。

ここで重要なのが「無料相談」の活用です。正式に依頼する前に、「自分のケースで弁護士を入れた場合、費用を差し引いてもメリットが出るか」を必ず試算してもらいましょう。

良心的な弁護士であれば、費用倒れになる可能性が高い案件については、そのリスクを正直に伝えてくれます。まずは無料相談を利用して、具体的な数字を確認してから依頼するかどうかを決めることが、損をしないための近道です。

交通事故に強い弁護士の探し方

物損事故の被害にあったとき、どの弁護士に依頼しても同じ結果になるわけではありません。

実は弁護士にも専門分野があり、方針は大きく異なるからです。特に物損事故は、人身事故に比べて賠償額が低くなる傾向があるため、弁護士によっては「費用倒れになる」という理由で依頼を断るケースも少なくありません。

そのため、物損事故の解決に積極的で、かつ実績豊富な弁護士を見極めることが非常に重要です。

ここでは、インターネット上の情報や無料相談の機会を使って、自分に合った良い弁護士を探すための具体的なポイントを解説します。

物損事故の解決実績を確認する

まずはじめに、法律事務所のホームページなどで「解決実績」を確認しましょう。ただし、「交通事故の解決件数が多い」という情報だけで判断するのは危険です。なぜなら、その実績のほとんどが「人身事故」に関するもので、物損事故の経験は少ない可能性があるからです。

物損事故では、車の修理費用の妥当性や、事故による車の価値の低下(評価損)、そして過失割合などが主な争点になります。これらは専門的な知識が必要な分野です。そのため、「物損事故」そのものの解決事例や解説記事が豊富に掲載されているかを確認することが、弁護士選びの第一歩となります。

ホームページを見る際にチェックすべきポイントを以下の表にまとめました。

チェック項目確認する理由
物損事故の受任可否「人身事故のみ対応」としている事務所もあるため、物損だけでも相談できるか確認が必要です。
解決事例の具体的内容「過失割合を修正できた」「評価損が認められた」など、具体的な成果が書かれていると信頼できます。
費用の明確さ物損事故は賠償額が低いため、弁護士費用が明確でないと最終的に手元に残るお金が減るリスクがあります。

無料相談の対応で信頼できるか判断する

実績がありそうな弁護士が見つかったら、次は実際に「無料相談」を利用して直接話をしてみましょう。弁護士との相性や、誠実に対応してくれるかどうかは、直接話してみないとわかりません。

無料相談の場では、弁護士があなたの話を丁寧に聞いてくれるか、そして難しい法律用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかをチェックしてください。

特に重要なのが、リスクについての説明です。「弁護士費用を払うと逆に損をする可能性がある」といったデメリットも含めて正直に説明してくれる弁護士は、依頼者の利益を第一に考えている信頼できる専門家だと言えます。

また、質問に対する回答の早さや的確さも重要です。物損事故の示談交渉はスピード感が求められることも多いため、連絡がスムーズに取れる弁護士であれば、安心して任せることができます。

無料相談は、単に法律的なアドバイスをもらうだけでなく、これから一緒に戦ってくれるパートナーとしての信頼性を確認する大切な場として活用しましょう。

まとめ

物損事故は人身事故とは異なり、原則として慰謝料が請求できないため、修理費や評価損、そして過失割合の認定が損をしないための極めて重要なポイントとなります。

保険会社から提示された過失割合や賠償額に納得がいかない場合、弁護士へ相談することで、証拠に基づいた適正な過失割合への修正や賠償額の増額が期待できます。

弁護士への依頼において最も懸念される「費用倒れ」のリスクについては、ご自身やご家族の自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されているかどうかが最大の判断基準です。

この特約があれば、原則として300万円までの弁護士費用が保険で賄われるため、自己負担なしで専門家のサポートを受けることが可能です。

もし弁護士費用特約がない場合でも、自己判断で交渉を諦める前に、まずは弁護士の「無料相談」を利用して具体的な試算を行うことが重要です。

物損事故の解決実績が豊富な弁護士であれば、介入によって賠償額が上がる見込みがあるか、あるいは費用倒れになる可能性が高いかを事前に診断してくれます。

結論として、物損事故で損をしないためには、弁護士費用特約の有無を確認した上で、まずは無料相談を活用し、プロの視点でメリットとリスクを明らかにすることをおすすめします。

納得のいく解決を目指すために、ぜひ早めの一歩を踏み出してください。

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