交通事故に遭われた直後、パニックや不安の中で「まずは警察に診断書を出さなきゃ」と焦っている方は多いはずです。
しかし、接骨院の現場で多くの患者様を診てきた私から言わせれば、交通事故の診断書は単なる事務手続きの書類ではありません。
それは、あなたの怪我がしっかり治るか、それとも後遺症に悩まされるかを決める「治療のロードマップ(設計図)」なのです。
「首が痛いと言ったのに、診断書に腰の痛みが書かれていない…」
「全治2週間と言われたから、もう治療は受けられないの?」
こうした現場でよくある悲劇を防ぎ、あなたが納得して治療に専念できるよう、接骨院の院長という立場から「診断書との正しい向き合い方」を徹底解説します。
なぜ接骨院の院長が「整形外科の診断書」を重視するのか?

「接骨院に行くなら、医師の診断書は関係ないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、交通事故治療(自賠責保険)において、接骨院での施術範囲は、原則として医師の診断書に記載された部位に基づきます。
現場で起きるトラブル:
事故直後に「首が痛い」とだけ伝えて診断書に『頸部捻挫』とだけ記載された場合、数日後に腰の痛みが出てきても、保険会社から「診断書にない部位の治療費は認められません」と拒否されるケースが非常に多いのです。
院長の視点:
診断書は「今の痛み」を記録するだけでなく、「将来にわたって十分な治療を受ける権利」を確保するための通行手形なのです。
診断書をもらう際、医師に必ず伝えるべき「3つの鉄則」
診察室では緊張してうまく症状を伝えられない方が多いです。後悔しないために、次の3点をメモして臨んでください。

①「違和感」を、痛みと同じ熱量で伝える
「激痛ではないけれど重い」「時々ピリッとする」といった違和感は、神経損傷や深層筋のダメージのサインです。「これくらいで大げさかな?」と思わず、すべて医師に伝えて診断書への記載を相談してください。
②全身を「スキャン」して漏れなく伝える
事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくいものです。首だけでなく、ハンドルを握った手首、ブレーキを踏んだ足首、シートベルトが当たった胸など、全身をセルフチェックしましょう。
③「接骨院でのリハビリ」を希望していることを伝える
早期回復には、整形外科の「検査・投薬」と、接骨院の「手技療法(リハビリ)」の併用が最も効果的です。最初から「接骨院でもリハビリを受けたい」と医師に伝えておくことで、その後の連携がスムーズになります。
【比較表】整形外科と接骨院の役割の違い
交通事故治療において、両者は「競合」ではなく「パートナー」です。

| 項目 | 整形外科(医師) | 接骨院(柔道整復師) |
| 役割 | 診断、検査(レントゲン・MRI)、投薬 | 施術、手技によるリハビリ、生活指導 |
| 書類 | 診断書の発行、後遺障害診断 | 施術証明書の発行 |
| 通院頻度 | 数週間に一度の「点」のチェック | 週に数回の「線」の細やかなケア |
一部の医師会では整骨院での施術を認めず、「整骨院に行くなら当院では診ない」という医師もいるようですが、ただの営業妨害です。
どこで治療(施術)を受けるか決めるのは患者様の権利ですので、もしも病院側から拒否された場合はご相談下さい。転院された方が良いのでご紹介します。
診断書の「全治2週間」という表記の真実
診断書に「全治2週間」と書かれて「たった2週間で治さなきゃいけないの?」と不安になる方がいますが、心配いりません。

- 数字の正体
これは警察が「人身事故」として受理した後に、違反点数を算出するための事務的な目安に過ぎません。医学的な完治期間を縛るものではないのです。 - 継続は可能
「むちうち」でも3ヶ月〜6ヶ月の治療を要することは多々あります。2週間経っても痛みが残る場合は、整形外科を再診し、現在の症状を伝えることで治療期間は更新されます。
当院が提供する「診断書」に基づいたオーダーメイド施術
当院では、お持ちいただいた診断書の内容を「設計図」として、さらに深く体の状態を分析します。
- 触診による深部の確認
診断書にある部位に対し、具体的にどの神経がダメージを負って筋肉が硬くなっているか、関節の動きはどうかを専門家の目で見極めます。 - 保険会社対応のサポート
「診断書の期間は過ぎたが、実際の症状はこうである」というプロの視点から、納得して治療を続けるためのアドバイスを行います。 - 整形外科との二人三脚
定期的に整形外科で診察を受けつつ、日々のリハビリは当院で行う。この理想的なサイクルをサポートします。
交通事故の診断書に関する「よくある質問(FAQ)」
現場で患者様から頻繁にいただく質問をまとめました。
- Q診断書の発行費用はいくらですか? また、誰が負担しますか?
- A
病院によりますが、一般的に3,000円〜10,000円程度です。
基本的には加害者側の自賠責保険から支払われますが、窓口で一度立て替える必要があるケースが多いです。領収書は必ず保管しておき、後で保険会社に請求しましょう。
- Q事故から数日経って別の場所が痛くなりました。診断書は書き直せますか?
- A
はい、可能です。ただし、早急に受診してください。
事故から時間が経過(一般的に2週間以上)してしまうと、保険会社から「事故との因果関係がない」と疑われるリスクが高まります。「おかしいな」と思ったらすぐに整形外科を再診し、部位を追加した診断書を再発行してもらうのが鉄則です。
- Q接骨院(整骨院)でも警察に提出する診断書は書けますか?
- A
いいえ、警察に提出する「診断書」を発行できるのは医師のみです。
私たち柔道整復師が発行するのは「施術証明書」となります。人身事故として警察に受理してもらうためには、必ず整形外科などの医療機関で医師による「診断書」を取得してください。その後、その内容に基づいて当院でリハビリを行う流れが最もスムーズです。
- Q医師に「大したことない」と言われ、痛い場所を書いてもらえませんでした…
- A
諦めずに、当院へ一度ご相談ください。
医師は画像(レントゲン等)に写らない微細な変化を軽視してしまうことがあります。当院で詳細な検査を行い、その結果を持って再度医師に相談するか、場合によっては協力関係にある信頼できる専門医をご紹介することも可能です。
- Q診断書を警察に提出すると、何かデメリットはありますか?
- A
実況見分と供述調書の作成に付き添う必要があります。
人身事故扱いになると、警察が現場で実況見分を行い、後日、被害者と加害者それぞれの供述調書が作成されます。ここに要する時間がデメリットとしてあります。
人身事故にしなくても、自賠責保険による治療費の補償や慰謝料は対象となるのでご安心下さい。
まとめ:あなたの未来は、今日の「診断書」から始まる
交通事故の治療は、最初のボタンを掛け違えると、後から取り返しがつかないこともあります。その「最初のボタン」こそが、交通事故の診断書です。
診断書に書かれた数字や言葉に振り回される必要はありません。大切なのは、あなたの体が発しているサインを正しく医師に伝え、適切な治療環境を確保することです。
もし今、お手元の診断書の内容に不安を感じていたり、これから病院へ行くタイミングで悩んでいたりするなら、一人で抱え込まずに当院へご相談ください。
私たちは、あなたが事故前の健康な体を取り戻すまで、全力で伴走することをお約束します。

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