交通事故によるむちうち、一体どうすればいいの?と不安なあなた。

この記事では、整形外科でのむちうち治療に焦点を当て、そのメリット・デメリットを徹底解説します。

むちうちの症状や原因といった基本的な情報から、整形外科で治療を受ける際の具体的なメリット・デメリット、病院選びのポイントまで網羅的に解説することで、適切な治療開始をサポートします。

整形外科以外の治療院についても触れているので、自分に合った治療法を見つけるための判断材料として活用して下さい。

「むちうち治療に関するよくある質問」コーナーでは、治療期間や後遺症、他の治療院についても解説。この記事を読めば、むちうち治療に関する疑問を解消し、安心して治療に臨むことができるでしょう。

あなたにとって最適な治療法を選択し、一日も早い回復を目指しましょう。

「むちうち」とは?

むちうちとは、主に交通事故などによって頭部が急激に前後に揺さぶられることで、頸椎(首の骨)や周囲の筋肉、靭帯、神経などに損傷が生じる外傷性頸部症候群の総称です。

医学的な正式名称ではなく、様々な症状をまとめて呼ぶ俗称であることを理解しておきましょう。

衝撃の大きさや方向、個人の体質などによって症状は様々で、軽度のものから重度のものまで幅広く存在します。

むちうちの症状

むちうちの症状は多岐にわたり、事故直後には自覚症状がない場合もあります。時間の経過とともに徐々に症状が現れることも少なくありません。

代表的な症状は以下の通りです。

症状説明
頸部の痛み首の痛み、こわばり、運動制限など
頭痛後頭部や側頭部の痛み、ズキズキする痛みなど
めまい回転性のめまい、ふらつきなど
吐き気吐き気を伴う場合も
しびれ腕や手のしびれ、感覚異常など
耳鳴りキーンという高い音、ジーという低い音など
自律神経症状倦怠感、不眠、イライラ、集中力の低下など

これらの症状以外にも、視力低下、嚥下障害、記憶障害などが現れる場合もあります。症状が長引く場合は、後遺症が残る可能性もあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

むちうちの原因

むちうちの主な原因は交通事故です。特に追突事故では、不意の衝撃によって頭部が激しく揺さぶられるため、むちうちになりやすいとされています。

その他にも、以下のような原因が考えられます。

  • スポーツ中の衝突や転倒
  • 高所からの落下
  • 格闘技やコンタクトスポーツによる衝撃

交通事故によるむちうちの場合、追突された側の車両に乗っていた人がむちうちになるケースが多いですが、追突した側の車両に乗っていた人がむちうちになるケースもあります。また、シートベルトの着用有無やヘッドレストの位置によっても、むちうちの重症度が変わる可能性があります。

事故の状況や個人の体格、筋肉の状態など様々な要因が複雑に絡み合って発症するため、専門医による正確な診断が重要です。詳しくは日本整形外科学会のウェブサイトも参考にしてください。

整形外科でむちうち治療をするメリット

交通事故によるむちうち症の治療において、整形外科を受診するメリットは数多くあります。適切な診断から専門的な治療、そして後遺症予防まで、整形外科は多角的なサポートを提供できます。

専門的な知識と技術による適切な診断

整形外科医は、筋骨格系の疾患に関する専門的な知識と技術を有しています。

むちうち症は、レントゲンでは発見できない軟部組織の損傷であることが多く、正確な診断には医師の触診や患者さんの症状の聞き取りが重要になります。整形外科医は、豊富な経験と専門知識に基づき、他の疾患との鑑別も含めた的確な診断を行います。

初期段階での正確な診断は、適切な治療方針の決定、ひいては後遺症のリスク軽減に繋がります。

また、整形外科では、日本整形外科学会などが推奨するガイドラインに沿った診断が行われます。これにより、診断の精度と信頼性が担保されています。

医療機器による精密検査

整形外科では、X線検査、MRI検査、CT検査などの高度な医療機器を用いて、むちうちの状態を詳細に把握することができます。

レントゲンでは映らない筋肉や靭帯、神経などの損傷も、MRIやCT検査で可視化できます。

これらの精密検査により、損傷の程度や部位を正確に特定し、より適切な治療計画を立てることが可能になります。特に、重症度が高い場合や、神経症状を伴う場合など、事故による後遺障害が残る可能性がある場合には、精密検査が不可欠です。

検査結果に基づいた客観的なデータは、治療効果の判定や、後遺障害等級認定の際の重要な資料ともなります。

多様な治療法の提供

整形外科では、むちうちの症状や程度に合わせて、多様な治療法を提供することができます。以下に代表的な治療法をまとめました。

治療法内容効果
痛み止め、湿布などの投薬治療炎症や痛みを抑える薬を内服または外用します不明です。プラセボ効果が高いといわれています
リハビリテーション理学療法士による運動療法、マッサージ、温熱療法などを行います筋肉や関節の機能回復、痛みの軽減、後遺症予防に効果的です
牽引療法首を牽引することで、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減します効果が無いことがすでに分かっています。効いたと感じたなら、おそらくプラセボ効果です
ブロック注射痛みを感じている部位に直接薬剤を注射することで、痛みを緩和します炎症を抑え、神経の興奮を鎮める効果があります

これらの治療法を単独または組み合わせて用いることで、症状の改善を図ります。また、整形外科医は、患者さんの状態に合わせて最適な治療法を選択し、治療計画を調整します。

後遺症を残さないためには、早期に適切な治療を開始することが重要です。整形外科は、多様な治療法を提供することで、患者さんの早期回復をサポートします。

整形外科でむちうち治療をするデメリット

整形外科でのむちうち治療には、メリットだけでなくデメリットも存在します。

治療を受ける前にデメリットも理解しておき、他の医療機関と比較検討することで、自身に合った治療を選択することが重要です。

待ち時間が長い場合がある

整形外科だけでなく病院全般に言える事として、むちうちだけでなく、骨折や捻挫など様々な症状の患者さんが来院するため、待ち時間が長くなる場合があります。特に、初診や平日の夕方、土曜日の午前中は混雑しやすい傾向にあります。

待ち時間が長いと通院回数は必ず減少します。治療回数が少なくなるので、貴重な時間を浪費してしまうだけでなく、症状の改善が遅れる可能性も懸念されます。

費用が高くなる場合がある

整形外科では、レントゲンやMRIなどの画像検査、電気治療、牽引療法など、様々な医療機器を使用することがあります。これらの検査や治療は保険適用となる場合もありますが、交通事故治療は基本的に自由診療です。

病院では一般的に保険診療の200%で計算するので費用が高額になる可能性があります。特に、MRI検査やブロック注射などは高額になる傾向があります。

また、投薬治療においても、湿布や痛み止めを使用する場合は、薬の種類や量によっては費用がかさむ可能性があります。

治療費は通常、相手方保険会社が一括対応で病院に支払います。そのため被害者は治療費に無頓着ですが、治療費が高額になると慰謝料や休業損害を減らされますので、高額な請求には注意しましょう。

精神的なケアが不足する場合がある

むちうちは、身体的な痛みだけでなく、交通事故による精神的な苦痛を伴う場合もあります。

整形外科では、身体的な症状への治療は専門的に行いますが、精神的なケアが不足している場合もあります。むちうちによる精神的なストレスや不安が強い場合は、心療内科や精神科との連携が必要となる場合もあります。

また、交通事故によるむちうちの場合、事故後の手続きや保険会社とのやり取りなど、精神的な負担が大きくなることがあります。そのような場合は、弁護士や行政書士などの専門家への相談も検討すると良いでしょう。

リハビリテーションに時間がかかる場合がある

むちうちの治療など筋肉や神経などの軟部組織損傷を治療するなら、リハビリテーションは非常に重要です。

しかし、整形外科でのリハビリテーションは、マッサージや電気治療などの物理療法が中心となる場合が多く、症状によっては改善に時間がかかる場合があります。

そもそもマッサージは治療ではなくリラクゼーションですので、痛みがある部位に行うこと自体ナンセンスです。

また、リハビリテーションを行うための専用スペースが狭く、十分な設備が整っていない整形外科もあるため、他の患者との兼ね合いから、希望する時間帯にリハビリテーションを受けられない場合もあります。

医師とのコミュニケーションが不足する場合がある

整形外科では、医師が多くの患者を診察するため、一人ひとりの患者とのコミュニケーション時間が短くなる傾向があります。そのため、症状や治療に関する疑問や不安を十分に相談できない場合もあります。

また、医師の説明が専門用語が多く、分かりにくいと感じる患者もいるかもしれません。

医師とのコミュニケーションが不足すると、治療に対する不信感や不安につながる可能性があります。気になることや不安なことは、遠慮せずに医師に相談することが大切です。

デメリット詳細対策
待ち時間が長い多くの患者が来院するため、待ち時間が長くなる場合がある予約システムを利用する、比較的空いている時間帯を狙って来院する
費用が高くなる場合があるMRIやブロック注射など、自由診療となる場合、費用が高額になる可能性がある事前に費用の目安を確認する、保険適用となる治療法を選択する
精神的なケアが不足する場合がある身体的な治療が中心で、精神的なケアが不足する場合がある心療内科や精神科との連携を検討する、カウンセリングを受ける
リハビリテーションに時間がかかる場合がある物理療法中心のリハビリテーションは、症状によっては改善に時間がかかるリハビリテーション設備が充実している医療機関を選択する、積極的にリハビリテーションに取り組む
医師とのコミュニケーションが不足する場合がある医師の診察時間が短く、十分なコミュニケーションが取れない場合がある事前に質問事項をまとめておく、セカンドオピニオンを受ける

上記はあくまでも一般的な情報であり、すべての整形外科に当てはまるわけではありません。

具体的な費用や治療内容については、各医療機関に直接お問い合わせください。また、厚生労働省のウェブサイトなどで、医療機関の情報を確認することもできます。

むちうち治療で整形外科を選ぶポイント

交通事故によるむちうちの場合、適切な治療を受けることが早期回復の鍵となります。整形外科を選ぶ際には、以下のポイントを参考に、ご自身に合った医療機関を見つけることが重要です。

交通事故に詳しい医師がいるか

交通事故によるむちうちは、数日してから症状が現れる場合もあります。そのため、交通事故に詳しい医師のいる整形外科を選ぶことが重要です。

交通事故に特化した医療機関では、事故後の症状や後遺症についての知識が豊富であり、適切な治療法やリハビリテーションを提供してくれるでしょう。

たとえば独立行政法人自動車事故対策機構 東北療護センターでは、自動車事故による脳損傷の重度後遺障害者に対して、先端的な看護知識や技術で治療を行っています。

医師の経歴や専門分野を確認し、交通事故治療の経験が豊富な医師を選ぶようにしましょう。

リハビリテーション設備が充実しているか

むちうちの治療には、薬物療法だけでなくリハビリテーションも重要です。

整形外科を選ぶ際には、リハビリテーション設備が充実しているかを確認しましょう。理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが在籍し、個々の症状に合わせたリハビリテーションプログラムを提供してくれる医療機関が理想的です。

牽引療法や温熱療法、電気療法、運動療法など、様々なリハビリテーション機器が完備されているかどうかも確認しておきましょう。設備が充実していることで、より効果的なリハビリテーションを受けることができます。

予約システムの有無

整形外科は待ち時間が長い場合が多いです。待ち時間を少しでも短縮するために、予約システムの有無を確認しましょう。

Web予約や電話予約が可能であれば、待ち時間を最小限に抑えることができます。また、予約システムの有無だけでなく、予約の取りやすさも確認しておくと良いでしょう。特に、仕事などで忙しい方は、予約が取りやすい医療機関を選ぶことが重要です。

その他

項目詳細
診療時間ご自身のライフスタイルに合った診療時間かどうかを確認しましょう。平日の夜間や土日祝日に診療している医療機関であれば、仕事をしている方でも通院しやすいです。
アクセス自宅や職場から通いやすい場所にあるかも重要なポイントです。駅近や駐車場の有無なども確認しておきましょう。
費用健康保険適用外の治療を受ける場合は、費用についても確認しておきましょう。事前に費用を確認することで、安心して治療を受けることができます。
セカンドオピニオンの可否他の医療機関の意見も聞きたい場合は、セカンドオピニオンの可否を確認しておきましょう。
医師やスタッフの対応医師やスタッフの対応が良い医療機関であれば、安心して治療を受けることができます。ホームページや口コミサイトなどで評判を確認しておきましょう。

むちうちの治療は、信頼できる医療機関選びから始まります。上記で紹介したポイントを参考に、ご自身に合った整形外科を見つけて、適切な治療を受けて早期回復を目指しましょう。

むちうち治療に関するよくある質問

むちうち症の治療に関するよくある質問をまとめました。気になる点があればぜひご確認ください。

むちうちの治療期間は?

むちうちの治療期間は、症状の重さや個人差によって大きく異なります。

軽い症状であれば数週間で回復することもありますが、重症の場合は数ヶ月、場合によってはそれ以上かかることもあります。平均的には3ヶ月から6ヶ月程度とされています。

一般社団法人 交通事故紛争処理センターによると、示談交渉においては症状固定が重要なポイントとなります。

症状固定とは、治療によってこれ以上症状の改善が見込めない状態を指します。症状固定までの期間も、むちうちの程度によって大きく変わるため、医師とよく相談しながら治療を進めることが重要です。

むちうちの後遺症は?

むちうちの後遺症として、頭痛、めまい、吐き気、首の痛み、肩こり、腕のしびれなどが挙げられます。

これらの症状は、事故直後には現れず、数日後、数週間後、あるいは数ヶ月後に発症することもあります。後遺症を残さないためには、早期の診断と適切な治療が重要です。

また、公益社団法人日本医師会も指摘するように、精神的な後遺症として、不安感、抑うつ状態、不眠などを引き起こす場合もあります。そのため、身体的な症状だけでなく、精神的なケアも必要となるケースがあります。

整形外科以外でむちうち治療はできる?

整形外科以外でもむちうち治療を受けることは可能です。主な治療院としては、接骨院、鍼灸院、整体院などがあります。

それぞれの治療院の特徴をまとめたので、自分に合った治療院を選びましょう。

治療院メリットデメリット
整形外科医師による診断、精密検査、多様な治療法待ち時間、費用、精神的ケアの不足
接骨院比較的費用が安い、健康保険・自賠責保険適用、電気治療、徒手療法医師の診断がない、精密検査ができない
鍼灸院鍼灸治療による痛みの緩和、血行促進、自律神経の調整効果に個人差がある、西洋医学的な検査ができない、自賠責保険不可
整体院身体の歪みを整える、リラックス効果国家資格がない場合もある、効果に個人差がある、自賠責保険不可

どの治療院を選ぶ場合でも、交通事故に詳しいか、適切な治療設備が整っているか、口コミや評判などを確認することが重要です。

病院または接骨院であれば、外傷に強く、自賠責保険が使えます。そのため当サイトでは「接骨院と整形外科の併診」をおすすめします。

その他のむちうち治療院

整形外科以外にも、むちうち治療に対応している治療院があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の症状や希望に合った治療院を選びましょう。

接骨院

接骨院では、柔道整復師という国家資格を持つ施術者が、むちうちによる痛みの緩和や機能回復のための施術を行います。

健康保険や自賠責保険が使え、比較的費用を抑えることができます。手技療法、電気療法、温熱療法など、様々な治療法を提供しています。

接骨院を選ぶ際には、交通事故治療の実績が豊富かどうか確認することが重要です。また、整形外科と連携している接骨院であれば、より安心して治療を受けることができます。

メリットデメリット
保険適用で費用が抑えられる画像診断に限界がある
予約が取りやすい場合が多い医師の診察を受けられない
手技療法による痛みの緩和が期待できる重度のむちうちには対応できない場合がある

参考:公益社団法人 日本柔道整復師会

鍼灸院

鍼灸院では、鍼灸師という国家資格を持つ施術者が、鍼やお灸を用いてむちうち治療を行います。

東洋医学に基づいた治療法で、痛みや炎症の緩和、血行促進、自律神経の調整などを目的としています。鍼灸治療は、西洋医学的な治療では効果が得られにくい症状にも効果を発揮する場合があります。

ただし、健康保険が適用される範囲は限られていますので、事前に確認が必要です。

鍼灸院を選ぶ際には、交通事故治療の経験が豊富な鍼灸師がいるか、衛生管理が徹底されているかを確認しましょう。また、鍼灸治療に不安がある場合は、事前に施術者と相談することが大切です。

メリットデメリット
薬を使わない治療法健康保険適用外の場合が多い
痛みが少ない治療法即効性がない場合がある
自律神経の調整効果施術者に技術の差がある

参考:公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

まとめ

交通事故によるむちうちは、放置すると後遺症が残る可能性もあるため、早期の治療が重要です。

整形外科でのむちうち治療は、医師による専門的な診断と、医療機器を用いた精密検査、そして投薬治療、リハビリテーション、牽引、ブロック注射など多様な治療法を受けられるメリットがあります。一方で、待ち時間が長かったり、費用が高額になる可能性、精神的なケアが不足する可能性といったデメリットも存在します。

整形外科を選ぶ際には、交通事故に詳しい医師の有無、リハビリテーション設備の充実度、予約システムの有無などを確認しましょう。

その他、接骨院や鍼灸院など、整形外科以外の治療院も選択肢としてあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の症状や状況に合った治療院を選ぶことが大切です。

後遺症を残さないためにも、まずは医療機関に相談し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

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仙台市泉区を中心に、交通事故被害者のために全力でサポートすることをモットーにしています。どうぞ、お気軽にご相談ください。